2018年振り返り&特に読まれた医療健康ニュースは?
今年もお世話になりました
あっというまに2018年終わりの日が近づいていますね。本当にお世話になりました!
今年は男の本厄年ということで色々ありましたが、ちょっとでもお役に立つ発信を目指してコツコツやれたかなーとは思っています。これも、記事を読んだり活動をサポートしたりしてくださる皆様のお蔭です。
せっかくなので、ことし1年を振り返ってみます。
特に読まれた医療健康ニュースは?
まずは、ヤフーニュース個人で執筆し特に読まれた記事を5つご紹介。
第5位
今月公開の記事がさっそくランクイン。
そんなに読まれなかろうと公開したら、ツイッターやはてなで多くの人がご紹介くださり、バズりました。岡三マンさんやZOZOの田端さんなど、ツイッター界の有名人のみなさまがご紹介くださったのもありがたいこと。。。
厚労省など国の機関が出しているデータの不確実さが、働き方関連などでたびたび報道されたので、「データを批判的に見る大切さ」を感じている人が多いのかもしれません
飛行機から飛び降りるとき「パラシュートの有無にかかわらず」死亡や大怪我のリスクは変わらない ハーバード大学の研究で判明=英国医師会雑誌 https://t.co/biqrnwovsG
— 岡三マン (@okasanman) December 22, 2018
あはははw >「パラシュートなしで飛行機から飛び降りてもケガしない」ハーバード大学の衝撃研究の真相は(市川衛) - Y!ニュース https://t.co/eqhdZIOFx0
— 田端信太郎 @田端大学塾長である! (@tabbata) December 23, 2018
第4位
がんの余命宣告に関するトラブルが起きたとの報道を受けて書いた記事です。余命を見積もるのは、あまりに様々な要因があって、専門家でもいわば「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の世界であることを示した研究について紹介。
でも、正確ではなかったとしても、そうした情報に意義はある。少なくともわたしは、あくまで目安としてということを理解したうえで、知らせてほしいということについて書きました。
第3位
東京医大が受験において、女性を差別していたことが問題になったことについて書いたものです。この問題が報道されて、医療従事者(主に医師)の知り合いたちに様々な意見を聞きました。
そのなかで意外だったのは、特に女性の医師たちから「これは必要悪だ」という意見が多く聞かれたことです。
なぜ、そう思うのか、その背景になにがあるのか。それを考えていった末に、ドイツのブランデンブルグ心臓センター(Brandenburg Heart Center)で働く、循環器内科医の岡本真希さんが頭に浮かびました。
フェイスブックでメッセージを送り、その後、メッセンジャーでインタビューして書いた記事です。岡本さんとの間で議論を深めながら丁寧に書いた記事。
ヤフーニュース個人の月間優秀記事(MVA)にも選んでいただくなど、お陰様で大きな反響をいただきました。
第2位
インフルエンザ予防として、多くの人が選んでいるマスク。でも、病気の「予防」としては多少の効果はあるかもしれないけど、それより優先したほうが良いことがあるかもしれない、ということについて書きました。
今シーズンもインフルエンザの流行が始まっています。よかったら改めていちど読んでみてください
第1位
こちらもインフルエンザ。2017年~2018年シーズンは、インフルエンザB型が例年より早く、多く感染者が出たということで話題になりました。
インフルエンザB型は「A型と比べて症状が軽め(熱が出にくい)」とか、「腹痛・下痢が多い」といった話がメディアで多く報道されていたのですが、根拠が「専門家の意見」というものばかりでした。
実際の研究では、どんなデータが出ているのだろう?ということを調べてみた結果、あまり違いはないかも。。。ということがわかりました。一時期、グーグルで「インフルエンザB型」で検索するとトップに表示されたことも有り、検索で非常に読まれた記事です。
こうやって並べてみると、総じて、様々な医療健康情報の「根拠」は何か?ということへの興味関心が高まってきていると感じます。
2016年のWELQのことや、SNSのなかでの医療者自身による発信の広がりなどを受けて、単にわかりやすいだけでなく、「本当に役に立つ情報」を知りたいという思いが、特に比較的若い世代のなかで強くなっているのかもしれません。
医療とメディアの架け橋を目指して
今年はお陰様で、様々な場にお呼ばれして、意見を述べさせていただく機会をいただきました
3月には厚生労働省の「要介護認定・介護レセプト等情報の提供に関する有識者会議」の構成員に選んでいただき、参加しました。取材の席で見ていたロの字のテーブルに自分が座るってなんか不思議な気がしましたなあ。
国の政策は、こういうプロセスと議論のなかで決まっていくのだな、ということを肌で感じられてとても良い経験になっています。実際に中に入ってみないと、わからないことが沢山ある、というのはどんな分野でも同じですね。
あと印象に残っているのは、9月26日にモデレーターとして参加した、日本医療政策機構さんのイブニングセミナー。テーマは「オンライン診療・遠隔診療」の未来についてでした。
武藤 真祐さん(インテグリティ・ヘルスケア) 長谷川 高志さん(日本遠隔医療学会常務理事)、そして盟友・佐藤大介(国立保健医療科学院)との議論。
先生方そして参加者のみなさんのご協力が前提ですが、場の流れを意識した質問で、少しずつ会場の体温が上がっていくのを感じられて嬉しかったです。
メディアで多数に向けて発信するのもとても大事だけど、イベントなどでその分野に本当に関心がある人向けに、どうしたらより良い時間を提供できるかについて考えるってとても意義あることだと改めて実感。
モデレーターという仕事は、準備や当日の緊張度など正直大変だけど、会場が盛り上がった時の感動はたまりませんなあ。もっと技術を伸ばしていきたい。
「マスゴミ」ってよく言うじゃないですか。
確かにわたし自身も含め、メディアで出る情報が完ぺきではないことで、様々なご迷惑をかけてしまうこともあるかもしれない。
でも、メディアの人間も、こんな思いでこうやってやっている!ということを、あえて自分から飛び込んでいって知ってもらうことで、なんというか協力してより良い情報発信につなげていけるかもしれない。ということをぼんやりと考えています。
いろいろな人がフラットに参加できる「場」を作る
2016年に勢いで始めたメディカルジャーナリズム勉強会
メディカルジャーナリズム勉強会 | Association of Medical Journalism
おかげさまでFBグループページのメンバーが800人を超え、なんとなく活動を知っていただける機会も増えました。これも一緒に活動してくれるメンバーのおかげ、本当にありがたい。。。
この会を始めた時から思いは変わっていないんですが、医療とか健康はとても身近な内容なので、携わる人もそれこそいろんな立場の人がいます。でも属する組織とか立場とかで、なんとなくかかわりが薄くなったりすることもありますよね。
そういう人たちが「より良い情報発信」というテーマで立場を超えて交われる場が作りたかった。そういう場を作ることで、誰かひとりでもより幸せになる情報発信が生まれればいいなあと…
濃淡あれど、その思いに共感してくれる人が少しずつづ集まってきてくださったので、2019年は、このすごくキラキラしているけれど、簡単に壊れてしまいかねないガラス細工のような「場」をいかに持続的なものにしていけるかが問われていると感じます。
というわけで2018年振り返りでした!
いつも見守ってくださる皆様、新年も何とぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m