医療の「翻訳家」を目指して【市川衛】

医療・健康の難しい話を、もっとやさしく、もっと深く。

新著、発売になります

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3月27日、3年ぶりの単著が発売になります

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4065146690?pf_rd_p=24769f9b-2797-4df3-9073-e46e001c89d2&pf_rd_r=1ET80T1F5M915F9QFCYS

ゲラを、尊敬する大先輩のテレビディレクターに読んでいただいたのですが、その感想として「いいんじゃない、若手の子たちに、読ませようよ!」と言ってくださいました。

 

しみじみ、うれしかったなあ

 

わたしが10年ほど前、クリエイターとしての才能や能力のなさに絶望し、「こんな自分でも誰かのお役に立てるとするならば、どうすればいいのだろうか?」ということを死ぬ気で考えた末

 

「全てにおけるジェネラリストを目指すのではなく、何かの分野を専門として突き詰めよう。そうすれば、誰かの役に立てるのではなかろうか」

 

というすがるような思いで、その専門とする分野を「医療や健康に関する情報発信」に決めました。

しかし10年ほど前、そんなぽっと出の制作者が「そのために勉強にしよう」と思っても、医療や健康の分野を取材するために必要な最低限のお作法とか、取材の方法とか、気をつけておきたいポイントについて系統的に教えてくれる教材は見つけられませんでした。

 

それゆえに、日々の研鑽を積みながらも常に「これで大丈夫なのだろうか」という不安感とか恐怖心を抱えながらの制作でした。苦しかった。
毎回、もうこれで自分の制作者としてのキャリアは終わりになるかもしれないと思い、震えながら放送日を待っていたのを思い出します。

 

もちろん、発信の上で最も大事なのは現場での取材であったり、語りであったり、引き込む演出だったりします。
しかしその土台として、最低限の統計の知識とか、エビデンスの見極め方を知ることは必要だと思うのです。それがあれば、少なくとも自分の作っているものは、最低限「誰かの害になるものではない」という思いを持てるのではないかと思います。

 

このさき「医療健康情報の発信を志したい」と思った人に、その対象である「誰か」を幸せにできるように、「とりあえず、まずはこの本読んどけ!」といって、ぽんと渡せるものになればと思ってコツコツ書きました。

 

もちろん不十分です。ここに書いてあることすべてが「正しい」わけではありません。私自身も、いまだに迷い迷いながら毎日を過ごしています。

 

でも勇気をもって書いてみました。

 

誰か一人でも、未来の発信者にとっての
お役に立ちますように