医療の「翻訳家」を目指して【市川衛】

医療・健康の難しい話を、もっとやさしく、もっと深く。

“パンデミック”との闘い ~感染拡大は封じ込められるか~

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CDC/ Alissa Eckert, MS; Dan Higgins, MAMS

3月22日放送のNHKスペシャル、担当しております

 

www6.nhk.or.jp

2020年3月22日(日)
午後9時00分~10時00分 NHK総合

 

パンデミックとなった新型コロナウイルス
世界で悲劇がひろがる一方で、渋谷を歩けば盛り場に若者と外国人があふれ、笑顔で酒を酌み交わしている姿が見られます。日本では思ったより患者が増えていないことが安心感を生んでいるのでしょうか。

 

でもそれは、医療や介護、行政の現場にいる人たちの必死の働きに支えられている、非常に危ういバランスなのだと、取材を進めるほどに感じます。実際に特定の地域では、感染爆発につながりかねない兆候も見えてきています。

 

政治の目線で見ると、ともすると死者や感染者はただの数字に見え、まるでシミュレーションゲームを解くように戦略を云々したくなります。一方で現場を取材すると、その数字ひとつひとつが確かな人のいのちだと実感し、マスクやアルコ―ルを求める叫びに心が痛みます。

 

長期化しつつある日々の取材のなかで膨大な情報に触れていると、正直、心のバランスを崩しそうになります。レジリエンス大事。

 

睡眠
栄養
手洗い
必要な場所では必要な感染管理
努めて笑顔でいること



 

とかいってますが、正直な心の声は「明日から世間は3連休か!いいなーー!!」だったりして😊おっといかん

 

これから3日が正念場
気を引き締めてがんばります。
良かったら見てくださいね。

テレビの前にいられなくても、PCスマホで視られます

https://plus.nhk.jp/

 

放送後一週間は見逃し配信もありますよ(^^)

もう間もなく、あと1時間くらいで3月11日

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もう間もなく、あと1時間くらいで3月11日

 

9年前の3月11日から半月くらい、いまの私が感じている気持ちがあったなと懐かしく思い出します

 

あの日、命を奪われたひと
故郷を奪われたひと

 

それを伝える立場として現場にいさせてもらったにもかかわらず、混乱し戸惑っているだけだった自分

 

この9年で、ちょっとでも状況が見える自分になれているのかどうかわかりませんが

 

あの日、あの時に取材の現場にいた人間として
この事態に、「より良く」なるための情報をコツコツお伝えしようと思います。それが、あのとき頑張っていた当事者の皆様、そして、いまも福島原発廃炉のために頑張っている人たちへの責任

どうすれば、自分の存在を消せるか

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【どうすれば、自分の存在を消せるか】

 

今日は、大尊敬する先輩、川村雄次さんの講演会に参加させていただきました。

 

川村さんは、NHKの先輩です。認知症になっても生きやすい社会を作ろうとする動きを、発信者という立場で作り上げてきた人です。

 

わたしが10年前くらいに、おこがましくも認知症の番組を作りたい!とご相談した時に、常にあたたかく、時に厳しく、指導してくださった方です。

 

「わたしは、いまだ川村さんのような、本当の意味で社会をちょっとでも『より良く』動かすようなことを何もできていないんです。どうしたらできるのでしょうか😭」

 

つい会場で、そう質問してしまったときに、川村さんはこう答えてくださいました。

 

「どうしたら、自分の存在を消せるかということです。参加者の人たちが、みなさんの中にもともとあった、こういうことがやりたいな、できたらいいなということを深めて形にしていけるお手伝いをするということ」

(上記は川村さんの発言そのものではありません。私の感じたことの要約です)

 

・・・

 

しびれました。自分に絶対的に足りていないことを思い知らされました。

 

きょうはずっと発信の内容を尊敬していた丹野智文さんとあえて、友達にもなってもらえて幸せな日であったです。

 

もう不惑すぎてけっこう経ってしまったし、自分にできることをちょっとでもやれるよう、がんばります。がんばる。

社会運動はどうやって起こすか

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Twitterのフォロワーさんに久しぶりに思い出させてもらった

TED伝説のプレゼン「社会運動はどうやって起こすか」

 

www.ted.com

 

4年前のまさにいまごろ、スタンフォード大学で参加したワークショップでこの動画を見せられ、衝撃を受けた。

 

別にそれだけがきっかけではないけれど、このころからでした。Yahoo!書いたり、SNSを頑張ったり、コミュニティを主催したり。「まっとうなサラリーマン」から見れば眉をひそめられてしまうような「変態活動」に身を染めてしまうのは。

 

ぼくはどっちかというと、「最初に裸で踊るバカ」なのかもしれない。だからこそ、組織の内や外で、バカの熱狂に理解を示してくれた、最初のフォロワーたちのことはぜったいに忘れない。

「誤解だらけの認知症」

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「誤解だらけの認知症という本がありまして

 

もう8年くらい前でしょうか、「これは世に広めるべきアイデアだ」と気づいてしまったものを形にとどめたいと、その当時の自分のすべてを注ぎ込んで取材し、番組を作り、その内容をまとめて書いた本です。

 

私の力不足で、残念ながら売れ行きは伸びず。。。

 

もう世の中から忘れ去られたかなと思っていたら、先日、とつぜんご連絡が。群馬県安中市の医師会のみなさまが、認知症のかたへのサポートの質を高めるために、この本に書きとめたことを深堀りして話してほしいとおっしゃる。

 

仕事終わりに新幹線に飛び乗り、行ってまいりました本日。

 

呼んでくださったのは、日本精神神経科診療所協会の監事を務められている半田文穂先生。専門医の立場から「ジャーナリストという立場から書いたにもかかわらず、日々の診療の本質に役立つものである、よくよく勉強して書かれたことが伝わってくる」というお話を頂きました。

 

「士は己を知る者の為に死す」という言葉があります。

 

 

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もちろん、そんな大げさなものではないのですが、奮い立ちました。

認知症のある人や支える人と実地で向き合う医療者のみなさまに、ちょっとでもお役に立つナレッジをお伝えできればと、死ぬ気で話してきました。薬の話とか、海外論文の紹介とか一切ないものですけれどね。

 

講演終わって帰るとき、大先輩の先生方が笑顔で次々と声をかけてくださりました。どこかしら、伝わった部分があったのだと感じています。

 

「誤解だらけの認知症」

 

アマゾンで中古品、なんと1円から売られています(運送料はかかります)。ありがたいことに、全国のいろいろな場所の図書館にも所蔵していただいています。(もはや絶版になっておりますので、読んでいただいても私には1円も入りません^^)

 

いろいろなお立場にいらっしゃる方が、認知症のある人と向き合う機会があったときに、読んでみて損ではないものと思います。つたない内容ですが、よかったら読んでやってくださいませ😭

実名報道・匿名報道 ~より良い道のためにできることは

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Yahoo!ニュース個人で、実名匿名報道についての、古田 大輔さんの論考が公表されました。前後編です。個人的にも「やまゆり園」に関する報道で興味を持っていた分野だったので、非常に勉強になりました。

 

news.yahoo.co.jp

 

news.yahoo.co.jp

 

カナダの事例はわたしは初耳でした。不勉強を恥じつつ、メディアに属する人間なら知っているべきものと思う事例です。

 

たしかにこのSNS時代、メディアが実名で報じなかったとしても、警察が実名発表すればどこかで広がっていくし、実名公表をしなかったら、憶測と不正確な情報ばかりが広がっていくでしょう。

 

それは、いま何らかの事件があるたびに、憶測ばかりの「トレンドサイト」がGoogleで軒並み高順位を席巻する現状が明らかに示しています。去年の、SNSであおり運転の「容疑者」扱いされた人のような事例が増えていくばかりだということは容易に想像できます。

 

「よりよい道」があるとすれば、警察は実名で公平に「発表」する、そしてメディアは、取材合戦に現を抜かすのではなく、適切な報道によって、遺族を傷つきや、悲しみみから「守る」立場に立つという形なのだと思います。

 

もちろん、これは理想論と批判を受けることでしょう。

しかし古田さんの指摘の通り、いま批判されているのは実名発表や実名報道そのものではなく、現行の記者クラブ制度を含めたメディアの「伝える姿勢」そのものです。

 

わたしの専門とする医療健康分野でも、著名人が亡くなるたびに「解説記事」としてメディアの取材記事、そして専門家による発信がネット・テレビ上に乱立します。
ときに、憶測にまみれていたり、プライバシーを侵害しているものも目にします。むしろ、「少なくない」と感じます。

news.yahoo.co.jp

それをどうすれば「より良く」していけるのか。

 

答えはありません。でも、ぼんやりと感じているのは「空気」を作ることが大事なのではないかということ。

 

一時のPVだけに拘泥せず、「人」に配慮し、情報の受け手の役に立つ情報発信をしようと心がけることが「カッコいい」という空気をつくっていく。

 

そのためにも発信者同士のコミュニティとしての議論、そして発信が大事になっていくと感じています。

2019年ふりかえり ランニングと睡眠、そして、つながりと「意思」の大切さ

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本年も大変にお世話になりました

2019も残すところ、あとわずか。お世話になった皆様へのご挨拶もかねて、この1年を振り返ってみます。思えば今年も、色々あったなあ。。。

総じて、おかげさまで得るところの多い年でした。ご縁をいただいた皆様に、心から感謝しております

 

特に読まれた医療健康ニュースは?

まずはYahoo!ニュース個人より、今年執筆した記事の中で、PV数Top3を。

 

第3位

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今年の個人的プロジェクトのひとつ、「産業医広報推進部」のみなさんとの連載記事のひとつがランクイン。うれしいなあ。。。

 

真摯な思いを持つ産業医のみなさんと一緒に、「働く人の健康を守る制度」の使い方について、シリーズで記事にさせていただきました。

 

自分自身、産業医のみなさまとお話をする過程で、働く人を守る法令や制度にはこんなに色んなものがあるんだなあ。。。と学びになりました。

 

「どうせ、使えねえよ!」と切り捨てちゃう前に、もしかすると役立つかもしれないいろいろな制度があることは知っておいても良いかもしれません。

 

プロジェクトの記事は、計6本。ほかの5本は下記です。良かったらいちど、読んでみてくださいね

第2位

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プチ炎上した「市販薬と同等成分を持つ花粉症薬を、保険適用から外す」という健保連の提言について解説したものです。監修してくれた五十嵐中さん(医療経済学者・横浜市立大学准教授)との協力記事のなかでは、下記も大きな反響を得ました。

news.yahoo.co.jp

いろいろありますが、個人的なメッセージは後半の一説。

今回の花粉症薬のケースでいえば、メディアの報道やSNSの投稿のなかには、「薬剤費」のみに注目し、あたかも今回の提言が実施されると「自己負担が何倍にも増える」ように感じさせるものもあったようです。 それは、今後の何十年かを考えた場合に「役に立つ」態度ではないのかもしれません。

医療はわたしたちの生活や命にかかわる切実な問題です。だからこそ、「医療とオカネ」にかかわる議論を進めていく際には、データをもとに、感情的にならずに話を進めていくことが大事です。

 

第1位

news.yahoo.co.jp

なんと、こちらも市販薬の解説記事。ドラッグストアで手に入る、身近な市販薬への興味ってやはり大きいんだな と再認識しました。

信頼する発信する薬剤師、kuriさんにお願いしてインタビューさせていただいたもの。w質問に対し、次の言葉が返ってきたときに、さすがkuriさん、攻めてる!!(そして本質を理解している)と思った次第です。本当にありがとうございました。

それでも迷ってしまう方は、思い切って値段の安いほうを選んでください。どの風邪薬もそれほど効果に大差はないという前提で出費を抑えるのも賢明な判断です。値段の高い薬にこだわる必要はありません。

Yahoo!ニュース個人・オーサーアワード2019特別賞受賞

有難いことに、これまでの活動を含めて評価していただいたのか、Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2019・特別賞を受賞しました

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それぞれの分野で専門性を持つ600人以上のオーサーの中から、今年を代表する書き手に選んでいただいて、感激の極み😭(賞金を辞退した代わりに花束をもらっているので、ひとりだけ目立つ感じでごめんなさい)

 

属する組織の一員としてではなく、純粋に個人として表彰してもらえるのは、人生で初めてかもしれません。あんまり褒められ慣れていないで、始終キョドキョドしていた1日でしたが、正直、しみじみ嬉しかったです。

 

思えば3年前、初めて出たオ-サーバンケット綺羅星のように輝く発信者たちを見て圧倒され、ただただオドオドしていた自分。。。まさか、そこで表彰スピーチする機会があるとは。人生、わからんものですね。

 

「賞金は辞退するので、花束をください」という無茶ぶりに応えてくださった 安藤智彦さん、 ありがとう。想像以上にゴージャスで美しい花束に感激です。安藤さんが編集者であることが、どれだけ救いになったかわかりません。

 

メディカルジャーナリズム勉強会「伝え方サミット2019」開催 

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主催しておりますメディカルジャーナリズム勉強会
忘年感謝祭「伝え方サミット2019」開催しました

3年前に、「たった一人の熱狂」で始めてしまったこの会。最初の会は参加者20人くらいでしたが、すごく有難くて震えたのを覚えています。

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今回のサミット、すっごくたくさんの人たちが参加してくれて、笑顔でお互いに話したり、議論に聞き入ったりする姿が本当にうれしくて

3年前に、おぼろげながら思い描いていた「風景」とは、こんなものだったのかもしれないと思います。

 

何度も言いますが、とにかく、こういう会を成立させるために大事なのは、前面に出て偉そうなことを話している(自分を含めた)人たちではなく

裏方を担当してくださる人たちなんです。。。

 

リーダーをしてくださった岩谷綾子さん 、ボランティアのみなさん、本当にありがとうございました。なんど言っても言い切れないほどの感謝をささげます。

 

いましてくださっていることへのご恩返しは、このコミュニティが、仲間にちょっと辛いことがあった時の助けになったり、誰かを幸せにするための発信の作戦会議場所になることで出来ればと思っています。

 

ハーフマラソン完走

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あれは7月下旬のことでしたか、 近所の飲み仲間がうちに来てくださって、そこで「12月にハーフマラソンに出るんですよ」と教えてくださったとき。

良い感じに酔っていたわたくしは、「え、なんで僕を誘ってくれないんですか」といって、勢いで一般募集に申し込みました。

その後、すっかりそんなことは忘れていたんですが…。後日、メールボックスに届いた「当選」のお知らせで記憶がよみがえりました。

 

なああああああああんっとおおおおお

 

というわけで、コツコツランニングする日々が開始。途中、腰が痛くなったり色々ありましたが、コツコツコツコツ走ってみると…

 

まず気が付いたのは、睡眠が深くなったこと。ぐっすり寝て、朝「うーん」って伸びをして目が覚める、そんな高校生のような睡眠がよみがえりました。

 

そして、重力に負けて垂れていた鏡の中の我が体が、いつのまにか重力に抗し得ている!ということに気が付いたのもうれしい変化。

総じて言うと、「40過ぎたら運動したほうがオススメです!」といえると思います。

 

ちなみにハーフマラソンの結果は、無事完走。しかも2時間切りを目標にしていたところ、望外の1時間45分というタイム。20キロ以上走れるなんて超人だと思っていたんですが、人は5か月で変われるものですね。

先日、ネットサーフィンしていたら、勢いで2020年4月にフルマラソンに申し込んでいました。42.195キロ、走れるなんて人生で1回も思ったことなかったけれど。。。まあ、これも良いきっかけなので、コツコツ練習がんばります。

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2020年へ向けて

さて、そして2020年がもうすぐ来ようとしていますね。

新しい年に向けてひとつ、プロジェクトを立ち上げようと考えています。

その手始めとして今週、NHK News Webにて、署名記事を公開しました。

www3.nhk.or.jp

 

「人生会議」

 厚生労働省の事業で制作されたポスターが、少し話題になりましたので、その言葉をお耳にされたかたも多いかもしれません。

 

騒動がどんなものか、その背景にどんな歴史的経緯があったのか、そして騒動をきっかけに何が生まれたか。そのあたりは長くなりますので、よかったら前掲の記事を読んでみてやってください。

 

この騒動をきっかけに、わたしは「人生会議」の愛称の選定にもかかわった、訪問診療医の紅谷 浩之さんのメッセージを知りました。

www.youtube.com

「決めなくてもいいから、いっぱい話をしよう」

 

この動画をみたとき、驚いたことですがマジで涙が流れました。そのとき、これは「世に広めるべきアイデア」だと理解しました。

 

僕はこのテーマは、地味だし「刺さる」ものではないかもしれないけれど、人の死生観の根源に関わるものであり、これから5年10年の日本社会を考えた場合にとても大事なものになると考えています(いきなし話が大きくなってごめんなさい)

 

ですので年明け以降、細く長く、しつこい!と言われても、このテーマに添い遂げるつもりでいます。

 

こんな、暑苦しい思いに共感してくれる仲間がいるとすれば、よかったら一緒に。

 

都会のマンションの一室で

病室のベッドの横で

みかんの乗ったコタツのまわりで

 

「あなたは、何をしているときが幸せ?」なんていう会話が繰り広げられる風景が

 

自然に生まれるような『空気』を作るお手伝いが出来たらと思っています。

 

というわけで2019年振り返り&2020年の抱負でした!

 

いつも見守ってくださる皆様、新年も何とぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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