医療の「翻訳家」を目指して【市川衛】

医療・健康の難しい話を、もっとやさしく、もっと深く。

【ご報告】市川・NHK卒業します

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暮れも押し詰まったところでの報告で恐縮ですが、年明け1月31日をもってNHKを退職することに致しました。

もちろん(?)仕事がイヤになったとか問題を起こした…というわけではなく!!前向き円満退職です(ここ大事)

 

来年2月1日からは、主にクラウドファンディング事業を営んでいる、株式企業READYFORに所属します。

readyfor.jp


思えばNHKに入局して20年。。。
何もできない自分に仕事を与え、様々な経験で育て、「伝える」という一生をかけて突き詰めたいスキルへの道を拓いてくれた組織。感謝しても感謝しきれません。

ためしてガッテン」で、誰かを1mmでも幸せにできるコンテンツを作る楽しさと難しさを叩きこまれ

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NHKスペシャルで、世界を取材する醍醐味を知りました。

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チェルノブイリ原発の取材中、原発労働者の別荘(ダーチャ)で誕生日を祝ってもらった夜のことは忘れられません。

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2016年にスタンフォード大学へ客員研究員として派遣いただいたことで、コミュニティ運営やデジタルメディア活用の重要性を知ったことは、現在につながる大きな学びでした。

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本当に仕事環境にも周囲にも恵まれ、幸せばかりの協会人生。マジメに数か月前まで転職なんて1ミリも考えてなかったのですが、、、


READYFORのCEOである米良はるかさんから、思いがけず「一緒にやりませんか?」とお誘いをいただいたとき、自然に「あれ、そういう人生もありうるのかも?」と感じてしまいました。

 

正直、いま安定し恵まれた環境にいて、それを変えることはリスクです。メディアしか知らない自分が、事業の世界で通用するかもわからない。わざわざコロナ禍のいま転職しなくても・・・とも思います。

 

でも、自分の心に正直に問うてみたとき「新しい世界で、これまではできなかったプロジェクトに挑戦してみたい」というワクワク感が上回りました😊

 

こんな自分勝手な理由にもかかわらず、NHKの上司、同僚、後輩みんな応援してくださったばかりか、「職員という形ではなくなっても、今後も仕事として関り続けて欲しい」とお声がけくださる人までいて。。。本当に、涙が出るほど有難いです。

 

 

READYFORは株式上場前の、正社員100人ほどのベンチャー企業です。職員数10,000人を超えるNHKからすると、100分の1の規模です。

 

お休みを使って、なんどかオンラインなどでメンバーのみなさんと話させていただいていますが、考え方もシステムも、そしてスピード感もNHKとは全く違うことを痛感します(どちらが良い、悪いではなく)

 

社員の平均年齢はおよそ30歳。43歳の私はまごうことなき「オッサン」です。アジャストしていけるのか不安もありますが…、まあ一度きりの人生、社会人20年目の一年生として、前向きにチャレンジしていきます!

 

有難いことにREADYFORさんからは、個人としての講演・執筆・出演などのメディア活動や副業は自由にやって良い(むしろ、本業に少しでも資する可能性があるものはどんどんやってほしい)とのお話しをいただいています。

 

チェルノブイリでもご一緒した盟友・久保達彦さん(広島大学医学部公衆衛生学教授)から客員准教授職を拝命したこともあり、大学などでの教育活動(主にヘルスコミュニケーション)についても力を入れていきたいと思っています。

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2020年1月の広島大学での講義の様子

そして、主催しております「メディカルジャーナリズム勉強会」の活動も、たくさんの尊敬すべき仲間に恵まれ、むしろパワーアップして続ける予定です。

medicaljournalism.jp

 

これまでも自由にやらせていただいていましたが、さらに自由すぎる立場になる予感がしますので😅市川と何かできるかも?とひらめいた方がいらしたら、ぜひお気軽にお声がけくださいm(_ _)m

 

環境が変わっても、「医療・健康分野を中心に、『むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく翻訳する』ことによって、1ミリでも誰かの幸せのお役に立つ」という自分的なミッションは変わりません。

 

これまでご縁をいただいた方は、環境が変わっても一生のお付き合いだと勝手に思っております。これからも変わらぬお付き合いを頂けますと幸いです。

 

長文読んでいただきありがとうございました。
良いお年を!

放送批評懇談会セミナー2020登壇してきました

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昨日の放送批評懇談会セミナー2020
「科学の伝え方」
おかげさまで盛り上がりましたーー

 


ステキなスタジオでの配信。ホストは博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員の 新美 妙子 さま 

 

そして聴衆には私なんぞのミジンコが及びもつかぬ重鎮たち。。。というわけで緊張すべきところですが、新美さんのおかげで、めっちゃ楽しく話させていただきました。
事務局として心配りくださった 中島 好登 さま本当にありがとうございました。

 

ざんねんながらアーカイブ公開はないということなので、調子に乗って質疑応答の時にお話しした内容をちょっとだけ記します。こんな偉そうなこと言いやがって!と思われた方がいらしたらごめんなさい。。。。

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ーー
Q コロナの報道に関して、芸能人や政治家がコメンテーターとして意見をすることをどう思いますか?
A 一般的に、同じ業界の専門家だけで議論をすると、どうしても偏りが生まれると思います。その意味で、多様な立場の人が話しあうことはとても意味があると思います。その前提で、口角泡を飛ばしてデスマッチしたほうが番組的に面白いのは制作者として心から理解していますが、できれば対立構造ではなく、お互いに違う意見を議論しつくしたうえで止揚し、前向きな結論が生まれるよう司会者の方には取り組んでいただけたらと願います。難しいことだと思いますが。

 
Q ワクチンの有効性が95%と報じられました。どのように見ていますか?
A 私の知る限り、データは製薬企業によるプレスリリースの形で出されています。第3者によるチェックを十分に受けているのかわかりません。その意味で、ワクチンを製造販売する側にとって都合の良いデータだけが選抜され、例えば安全性の問題など、都合の悪いものは目をつぶられている可能性があるなと思っています。

 

また、コロナのワクチンは短期間で数億人単位の人に接種することを期待されていますが、それを実現するには難易度の高いオペレーションが求められます。たとえばmRNAワクチンは非常に低い温度で保管しなければならないとされています。おそらく治験が行われたのは、そうした環境を実現できる設備をもつ大病院などだと思います。しかし実際に多数の人にうつとなれば、僻地に住む人のところまで、低温を維持したまま運び、質を保ったまま接種しなければなりません。その過程で品質が劣化していれば、望む効果は得られなくなります。

 

現段階の個人的な認識を聞かれれば、「この短期間でワクチンを開発に結び付けた関係者の努力には心から敬服します。ワクチンには少なくとも一定の人を、病から防ぐ効果はあると期待しています。しかし、試験は理想的な環境で行われますが、実地ではそれよりはるかに複雑な要素が絡みますので、95%の有効性を実現できるかについては未知数であり、過剰な期待はしないほうが良いと思います。また、安全性で問題が起きないかは慎重に検討されるべきと思います」となります。

 


Q テレビでマウスガードやマスクなしフェイスシールドを付けて会話する出演者を見ることがあります。これについて、どう思っていますか?
A こういうことを言うとまた嫌われると思いますが、率直に申し上げて問題だと思います。その番組を見て、「これでいいんだ」と偽りの安心感を持つ人が必ず現れるからです。

また一方で、きちんと距離をとっていて、換気がしっかりしているテレビスタジオで、わざわざマウスガードやフェイスシールドをしているケースも見かけられます。これは、意味のない過剰な対策をしなければ「けしからん」という空気を醸成しかねません。いずれにせよ、視聴者のかたを幸せにすることにつながらないと思っています。

11月25日18時~  放送批評家懇談会セミナー2020に登壇します

【オンライン】放送批評懇談会セミナー2020「科学の伝え方~コロナ時代に求められる、知識と思考法~」 イベント画像1

 

あまりにも名誉すぎる😭機会を頂いてしまいました


11月25日18時~
放送批評家懇談会セミナー2020に登壇します

passmarket.yahoo.co.jp


テレビ番組の制作者にとって、最大の名誉のひとつに「ギャラクシー賞」という賞があります。


通常のコンクールは、テレビ局側から候補作を応募して選んでいただく、という形をとるのですが、ギャラクシー賞は、制作者として大先輩の委員のみなさまが、自ら見た番組の中で「これに賞を与えるべし!」というものを選んで賞してくださるもの。

 

その意味で、制作者的には冥利に尽きるサプライズプレゼントになるわけです。

 

わたくしのようなミジンコ制作者でも、たまたま制作した番組を賞していただいた経験もあるのですが、まあそれはそれは名誉!感動!!と思っていたわけです。何が言いたいかというと、そのギャラクシー賞を運営していらっしゃる放送批評家懇談会という組織は、私にとっての永遠の憧れ、なわけです。

 


今回、その放送批評家懇談会さんが年に1度開催されるセミナーに、登壇者としてお呼び頂きました。

 

テーマは「科学の伝え方~コロナ時代に求められる、知識と思考法」という、分不相応にもほどがある内容ですが、精一杯頑張ります。
オンラインで、無料でご参加いただけます。

 


まだ若干ながらお席があるようなので、もしよかったら、応援するつもりでご参加くださいませ。

 

【オンライン】放送批評懇談会セミナー2020「科学の伝え方~コロナ時代に求められる、知識と思考法~」 - パスマーケット

 

あー緊張する。

 

でも、このコロナ感染拡大下の大事な時に、様々なテレビ局やメディアのみなさまに「こんな気持ちで情報をお伝えしたら、視聴者/読者のお役にたてるかもよ!」ということをお伝えできる機会なんてあまりないので。。。

 

がんばります

3団体に、バースデードネーション(誕生日寄付)を行いました

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昨日10月13日、43回目の誕生日を迎えました。

誕生日だってのにあまりにも忙しくて、せっかくご推薦いただいた団体への寄付が遅れてしまいましたが、本日無事、3つの団体に寄付を行うことができました。

 

SNSなどで誕生日寄付の贈り先を募集したところ、なんと14団体ものご推薦を頂きました。

「毎月寄付している」

「ヘアドネーションをしている」

などなど・・・、寄付文化が薄いと言われる日本ですが、こんなに誰か知らない人のために善意を届けている人がいるのだなと思って感激しました。

 

14団体すべてに寄付をしたいのですが、貯金も限られているため(笑)3団体を選ばせていただき、寄付を行いました。金額は、まあ、私にできる精一杯ってことで・・・

 

公益社団法人こどものホスピスプロジェクト

camp-fire.jp

主な事業:大阪市鶴見緑地公園内にあるTSURUMIこどもホスピスの運営

生まれつき重度の障害を抱えている子どもや、重い病を患っている子どもとその家族たちがその人らしく豊かに過ごしていただくための施設です。

 

・一般社団法人 小さな命のドア

https://door.or.jp/

主な事業:妊娠・育児に悩みを抱える女性とその子どものための相談窓口の運営

思いがけない妊娠で途方に暮れている女性や

もう育てられないと育児で思い悩み、追い詰められた女性のためのドアです。

 

 

NPO法人 親子の未来を支える会

www.fab-support.org

主な事業:「胎児ホットライン」運営

楽しみにしていたいつもの妊婦健診で、赤ちゃんの病気が突然告げられたとき。妊婦さんはもちろん、パートナーや赤ちゃんの祖父母にあたる方も、悩み、戸惑い、苦しむでしょう。そんな方達を独りにせず、支えになる場所、そして、どうやって支えるかを知れる場所をつくりたい。そんな想いでスタートしました。

 

今年のテーマは「次世代への支援」でした。

すべての団体のHPに目を通させていただき、あえて全国組織ではなく、(比較的)小規模で、深刻な悩みを抱える人のお役に立とうと取り組まれているところ(もちろん、どこも取り組まれているのですが)を選ばせていただきました。

 

よかったら上記3団体のHP、ご覧になってみてくださいませ。

 

寄付先を推薦下さったみなさま、本当にありがとうございました(^^)

今年も「バースデードネーション」を行います!(2年連続2回目)

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あっというま!に今年も10月を過ぎました。

10月13日(火)はわたしの43回目の誕生日です。なんと、もう不惑も超えてけっこう経ってしまいましたね。。。何やっているんだか。。。

 

さて、これはさびしがりや男の「祝ってほしいアピール」である面も否めないですが、それより大事なのは、去年から始めている「バースデー・ドネーション(誕生日寄付)」です。

 

簡単に言えば、この1年健康で無事に過ごせたことのお礼として、誕生日に、誰かを支えるために活動している人にわずかばかりでも寄付をしたいなと。

 

そこで、このページを読んでくださっている皆様へのお願いなのですが、

寄付をすべき団体を、ご推薦いただけないでしょうか?

今年のテーマとしては、「次世代への支援」としたいと思っています。

ヘルスケアに関わらず、赤ちゃん~20代の世代への支援を行っている団体で(小さなお子さんを抱える親御さんへの支援や、不妊治療・里子制度などへの寄付も、もちろん含みます)、みなさまが普段、ご活動を応援したいと思っているところを教えていただけないかと。。。もちろんご活動されている方が自薦いただいても構いません。

 

コメントでいただいても結構ですし、市川のメッセンジャー、DM、メールにいただいても幸いです。

mamoruichikawa@gmail.com

 

非常に恐縮なお願いなのではありますが、もしちょっと教えてやってもいいかな?と思われた方はご連絡くださいませーいちおう、締め切りは10月12日(月)いっぱい(わたしの誕生日前日)とさせてください

 

ご反応いただけるかな。。。ドキドキ。。。

 

ちなみに、こちらは去年の誕生日寄付について。後半に記載があります。

mamoruichikawa.hatenablog.com

日本ヘルスコミュニケーション学会に参加

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今日は日本ヘルスコミュニケーション学会第12回学術大会に参加

healthcommunication.jp


自分の発表テーマは「新型コロナ:研究と実践報告」

 

座長の中山健夫さんと奥原剛さんの暖かなコメントをいただき、他のみなさまのご発表もいちいち学びになることが多く、ついつい質問を繰り返し、楽しい時間を過ごさせていただきました。

 


個人的に最も心に残ったシンポジウム
「やさしい日本語」
「SDM(シェアードディシジョンメイキング)」
「医療者のアツすぎる想いは、だいたい空回り」(※意訳)

 

全体の発表傾向も見るに、今年のトピックは「医療健康情報のアクセシビリティ」になっていた気がしました。すなわち障害や言語的な壁を抱える人にも、どうすれば情報が理解しやすくなるのかを考えた取り組みや技術の開発が、今後少なくとも数年の流れになっていくような気がしています。

 

なお・・・こんなことを言うのは分不相応と思いつつ、学会に参加してちょっと違和感
せっかく座長が「質問をお願いします」と求めているのに、誰も手を挙げず、じゃあ、といって座長が質問するケースが多々見られました。

 

せっかく質問を求められているんだから、空気とか読まずに思い切って発言しよう。
発言することを目標にすれば、死ぬ気で他人の発表も聞くようになるのだから。そうじゃなきゃ、中心メンバーだけが好きに語っている現状が変わりません。

 

せっかく学会がオンライン化して、誰もが発言の機会を持ちやすいフラットな空気ができているんだから。

 

恥ずかしがらずに質問しよう。できないなら、質問できるようになろうと思って死ぬ気で勉強しよう😊

#コロナ下の音楽文化を前に進めるプロジェクト 報告書公開しています

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いつのまにか1か月以上更新していなかった。

 

 

元気にやっています。

 

 

#コロナ下の音楽文化を前に進めるプロジェクト

 

 

この2か月くらい、いろんな人の助けを受けながら、コツコツと進めてきたプロジェクトの報告書がついに公開されました(公開されたのは8月17日ですが)


全文公開しています。膨大な内容ですが、良かったら読んでみてくださいませ

(リンクからダウンロードもできます)

www.slideshare.net


NHKニュースでも取り上げてもらいました。
うれしいよう。

www3.nhk.or.jp


コロナでなぜたくさんの人が身動きを止めざるを得なくなっているのか。それはウイルスの動きやリスクが「見えない」からではないでしょうか。見えなければ不安が募り、前に進めなくなってしまいます。

 


それを少しでも「見える」ようにして、音楽を愛する人が前に進めるようにできないか、そんな思いのもと、医療職やプロジェクトマネージャー、研究者、空調のプロ、そして全国のトップ演奏者たちなど、様々な人が信じられないようなドリームチームを組んで取り組みました。

 

 

誰かの挑戦を支えるために、それぞれの専門性を持ち寄って取り組む。こんな事態がなければ起きえない、奇跡みたいなことだと思います。

 

 

私の担当は、実験のデザインや実験リソースのコーディネート、データ管理、報告書の分担作成などなど。。。音楽オンチだって、できることはあるのだ。

 

 

まずは形にしたので、あとはどう普及させるか。
もっと頑張んなきゃ。